大輪朝顔に興味が生じると、蔓づくりならば、大きく咲く品種、特に8寸花(24.3cm以上)の実績がある品種が欲しくなります。切込づくりならば、やはり入賞実績の多い美麗な品種や珍しい花色の品種が欲しくなります。
しかし、初めての挑戦であれば、自分の栽培環境や管理可能な時間帯を踏まえ、自分の栽培環境や管理の実態に適した品種を選ぶことをお勧めします。
最初は、自分にとって栽培が比較的容易そうな品種を選び育て、純粋に花を楽しむ心の余裕を持つことが大事だと思います。そして経験を積み、なんとなくコツがつかめてくるようになってから、管理がデリケートな品種にチャレンジするのも一法かと思います。
初めての挑戦の場合は、蔓づくりであれば草勢が中性の品種の中から白、桃、藤など淡色系統の品種を選んでみてはいかがでしょうか。
ただし、日当たりに恵まれていないなどの環境であれば、弱性種の品種にします。
切込づくりであれば、草勢が弱めで短幹性の品種の中で大きく咲く可能性のある好みの色の無地花品種を選んでみてはどうでしょうか。
少し経験を積み、生育の様子がつかめてきたら、自分の栽培環境を知る意味も含め、草勢の幅を広げて挑戦し、さらに経験を積んできたら、積極的に難しい品種にも挑戦してみるなど、段階的に幅を広げていく方法が上達の近道と思います。
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強性種
生長の勢いが早くて強い。そのため節間が広がりやすい。また、葉も肥大しやすい。
肥料濃度を濃く施用しても芽止まりしにくいものが多く、花径も伸びる傾向にある。しかし、蔓の伸び、葉の肥大が著しくなり、草姿が乱れやすい。
一方、肥料濃度が薄いと花径が伸びない傾向にある。
日照に恵まれた環境では潜在能力を発揮しやすいが、日照が少ない環境では花径が伸びない。
風通しがよい環境での栽培では葉の肥大がある程度抑制される。
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弱性種
生長の勢いが強勢種に比べて弱い。節間が詰まりやすく草姿を整えやすい。葉も肥大しにくい。
しかし、肥料濃度を濃くすると、芽の先端が蕾になり芽止まりする傾向がある。花も縮れて咲き、花径が伸びない。
日照に恵まれない環境でも比較的花径の伸びが期待できる。
品種の性質については、展示会または講習会で詳しい会員に尋ねるか、大輪朝顔品種(花銘)一覧中の、画像のふきだしを参考にしてください。
最初のうちはあの品種もいいな、この品種もいいなと、さまざまな品種の花に囲まれることに夢が膨らみますが、いかに栽培管理に時間がさけるかを考慮してほしく思います。
大輪に咲いてもらうためには、一般の朝顔に比べて一鉢一鉢いつくしむような手間をかける必要があります。栽培しているすべての鉢の管理に手が回らなくなると、結局、中途半端な結果になってしまいます。
最も手間がかかる時期には、一鉢あたり5分以上かかることもあり、このことも考慮して朝の管理可能な時間帯や、一日で必要な管理作業が余裕をもって完了できるよう、管理可能な鉢数を見切ることも重要です。